はじめに
虫歯や歯周病を治療していたものの全く改善しない・・など、さまざまな理由で抜歯することがあります。
歯が抜けてしまった時、そのまま放っておくとさまざまなリスクがあるため、自分にとって最善の方法で歯を補う必要があります。
ここでは歯が抜けてしまった時に放っておいてはいけない理由や治療法などについてご紹介します。
歯が抜ける原因とは
そもそもどうして歯が抜けてしまうのでしょうか?
日本人で虫歯になったことのない方は5パーセント程度だと言われており、ほとんどの方は虫歯の経験があるようですね。
歯を抜く原因となる4割は虫歯だと言われています。
また、歯周病になっている方の割合は成人の8割以上だそうです。
この歯周病によって歯をなくしてしまう割合は30歳になると急に上がると言われており、抜歯の最大の原因になるそうです。
さて、この歯周病は始めのうちは痛みなどが全くないため見落としがちで、知らないうちに歯周病は進んでいくと言われています。
つまり、自覚症状が出始めた時にはすでに手遅れになっていることが多いわけですね。
歯が抜けたらブリッジや入れ歯にすればいい・・などと安易に考える方が多いようですが、その理由は次々に他の歯も弱ってしまい最終的に抜歯することになるのをご存じないからでしょう。
さて、歯周病とは歯周病菌によってひき起こる感染症だそうです。
ただ、インフルエンザのような人から感染するものでなく、誰もが保有している菌で、歯磨きの際の磨き残しによってプラークになり、さらに歯石になっていきます。
この歯石にはプラークが付きやすいため放っておくことで悪循環になります。
歯周病菌が増殖すると炎症が起き、歯と歯ぐきの境目が腫れて出血や膿、口臭などの原因になります。
歯周病は自覚症状がほとんどないため、痛みや口臭、出血などに気づいた時にはすでにかなり進行していることが多いです。
早めに発見して治療するためには定期的にクリニックで検診を受けましょう。
歯周病を放っておくと最終的に抜歯する必要が起こるからです。
歯が抜けたらどうなるのか
それでは歯が抜けたまま放置しておくとどうなるのでしょうか?
・噛み合わせが悪化する
歯のない状態で時間が経ってしまうと噛み合う歯が出てしまったり、隣り合う歯が倒れ込んだりするため噛み合わせが悪化します。
・顎関節症になることがある
歯とは本来左右対称にあるもので、均等にものを噛むことが可能です。
ですが、歯が抜けたままでいると噛みやすい方だけで噛むようになるため噛み合わせが変わってきます。
そうなると、本当なら左右のあごで分散できるはずの負担が片方だけにかかるようになり、最悪顎関節症になってしまうこともあります。
・虫歯や歯周病になりやすい
噛み合う歯が出たり隣り合う歯が倒れることで正常な歯並びではなくなるため、ブラッシングしづらくなります。
その結果、汚れが残ってしまうため虫歯や歯周病になったりすることがあります。
・消化器官に負担がかかる
食べものは歯でしっかり噛み砕いて消化しやすくしていますが、噛み合わせが変わったりすると噛み砕けないため、その分消化器官に負担がかかってしまいます。
・知覚過敏になる
噛み合う歯が出たり、隣り合う歯が倒れてしまうと歯ぐきに本来あるべき根の部分が出てしまうため、刺激を受けると痛みを感じたり知覚過敏になったりします。
・発音しにくくなる
前歯がないままで放っておくと、そこから空気がもれるため発音しづらくなります。
特にナ業やタ行、サ行などは前歯の裏に舌をつけ発音するため悪影響が出やすいです。
・治療しづらくなる
歯が抜けたまま放っておくと、歯のないところの治療が難しくなる場合があります。
その理由は噛み合う歯が出たり、隣り合った歯が倒れるためで、状態が悪くなったりスペースが不足するからです。
そうなると、歯がなくなってすぐなら治療法を選べるはずが不可能になったり、噛み合う歯や隣り合った歯をかなり削る必要が出てきます。
・脳への刺激が減る
噛むことで脳へ刺激を与えられることが分かっており、歯のない状態が続くと噛みづらくなるため脳への刺激が減ってしまいます。
また、脳への刺激が減ってしまうことで認知症になりやすいとも言われています。
・顔が老けて見える
歯があることでほおや唇にハリがでますが、歯が数本ないままの状態でいるとほおや唇のハリがなくなり顔が老けて見えます。
・唇やほおを噛みやすくなる
歯が抜けたままでいると、そのスペースに唇やほおが入り込んでしまい噛んでしまうことがあります。
そうなると、口内炎や傷ができやすくなり刺激をずっと受け続けていると最悪口腔がんの原因になったりします。
歯が抜けた時の治療法
・インプラント
インプラント治療とは歯をなくしてしまったところの骨に人工歯根を埋め込んで、そこに人工歯を装着する治療法です。
両側の歯を削らず抜けたところだけに人工歯を入れることができるすぐれた治療法です。
このインプラントの材料にはチタンが使用されており、金属アレルギーの心配もありません。
また、審美性が高く浮かない、ずれない・・などのメリットがあります。
・ブリッジ
抜けた歯の両隣にある歯が健康でしっかりしている場合にはブリッジ治療を行うこともあります。
この治療法は抜けた歯の隣り合った健康な歯を削り土台にして使用し、そこに人工歯をつなぎ合わせた歯をブリッジにように被せて治療する方法です。
なお、このブリッジは使う素材によって保険を適用できる場合もあります。
・入れ歯
入れ歯は取り外しができ自分でケアできるのがメリットです。
骨にインプラントを埋めなくても歯を削ったりせず、型取りするだけで自分の歯の代わりの歯を作ることができます。
また、健康保険を使えることができるので費用の負担も軽いです。
まとめ
歯が抜けてしまったらできるだけ早く治療を行うことが大切です。
ですが、その治療法にはメリットもあればデメリットもあるため、ご自分に最適な方法を選ぶことが大切です。
クリニックでしっかりと相談した上で、納得できる治療法を選ぶことが大切ですね。
ぜひ、ここでご紹介したことを理解していただき、歯が抜けてしまった時に役立ててみて下さいね!
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