歯を失うだけでは済まない!歯周病を放置すると起こる全身疾患とは | インプラントのホントのお話

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歯を失うだけでは済まない!歯周病を放置すると起こる全身疾患とは

はじめに

歯周病菌により歯周組織に炎症が起きて歯周ポケットが作られると、
そこから体の内部に侵入した細菌によりサイトカインという物質が血液に流れ込みます。
これが全身にさまざまな悪影響を与えると言われています。

 

最近ではさまざまな研究結果により、歯周病が全身疾患と関係するということが分かってきました。
ここでは歯周病を放っておくと起こる全身疾患についてまとめてみました。

歯周病と全身疾患との関係

アメリカの歯周病学会は以前、歯周病は死を招くと警告したそうです。
歯周病は単に歯ぐきから血が出る程度だと思われていますが、実際にはそうではなく、全身にさまざまな悪影響を招くことが分かってきました。
ただ、歯周病そのものが病気を引き起こすのではなく、病気になりやすくなったり、病状を悪化させるということです。

歯周病が全身に影響を与える仕組みとは

歯周病菌が体内に入り悪影響を及ぼすのですが、口の中を経由するケースと血管を経由するケースとに分けられます。
お口の中を経由する場合、細菌自体が他の臓器に感染するもので、血管を経由する場合は歯周病の病巣にある細菌が産生した炎症物質や白血球によって血管を通り、さまざまな臓器に悪影響を与えます。

歯周病を放っておくと起こる全身疾患

動脈硬化、狭心症、心筋梗塞

歯周病になると動脈硬化、狭心症、心筋梗塞などの心臓病になる確率が高まります。
まず、動脈硬化ですが、これは血管が硬く厚くなってしまい血管内が狭まる疾患です。
この病気は脳動脈や心臓の冠状動脈などで起きやすいと言われており、心臓では虚心性心疾患やうっ血性心不全、脳においては脳血管障害やクモ膜下出血や脳出血・・などの疾患を引き起こすと言われています。
次に狭心症ですが、これは動脈硬化が心臓の筋肉に栄養分を送り込むための冠動脈で起こる病気です。
心筋梗塞は心臓の冠動脈が詰まってしまう病気です。
一般的に動脈硬化は40歳以上の方のほとんどに起こり、血管の老化現象と言われている病気です。
糖尿病や高血圧、肥満やストレス、高脂血症や運動不足・・などが動脈硬化になりやすい原因であると言われています。
動脈硬化の方の血管から歯周病菌が見つかることから、歯周病が動脈硬化を促すことが判明しています。

糖尿病

糖尿病は体内でインスリンが不足したり、インスリンがあっても働きにくいことで血糖値が異常に上昇する病気です。
糖尿病は食生活の乱れや運動不足などの生活習慣と深く関わっている病気で、日本人の糖尿病患者は316万6000人(2015年)で、糖尿病と強く疑われるものは約1000万人とも言われています。
初期では自覚症状がほとんどなく気づかないまま進行してしまい、さまざまな合併症を引き起こす怖い病気です。

骨粗しょう症

歯周病と骨粗しょう症も深く関わっています。
骨粗しょう症という病気は骨の密度が減りスカスカになってしまい、骨折しやすくなる女性に多い病気です。
特に閉経後になると女性ホルモンが低下してしまうため注意が必要です。
骨粗しょう症の方が歯周病になると歯槽骨が急速に痩せていくそうです。
さらに、歯周病になって歯をなくすと噛む力が落ちるため、食事で摂取できるはずのカルシウムも不足してしまい、ますます骨が弱くなっていく・・という悪循環に陥ります。

肺炎

肺炎は最悪死亡することもある怖い病気です。
高齢者の最大の死亡原因とも言われている肺炎ですが、特に多いのが誤嚥性肺炎と言われるものです。
この誤嚥性肺炎も歯周病菌が深く関わっています。
肺炎という病気はウイルスや細菌が肺に感染し炎症が起きる病気で、誤嚥性肺炎とは食べものや唾液が肺に入ってしまい起きる病気です。
特に寝たきりの方などで飲み込む力が落ちている方に多い病気です。
誤嚥性肺炎の方から歯周病菌が見つかることが多いので、細菌では誤嚥性肺炎の最大の原因だと言われています。
この病気を防ぐには歯周病を予防することが大切で、そのためにもお口の中を常に清潔にする必要があります。

早産や低体重児出産

歯周病の妊婦さんはそうでない妊婦さんと比べて早産のリスクが7倍にもなるそうです。
また、歯周病の程度によって低体重の頻度も高まると言われています。
歯周病と低体重児出産の関係は歯周病が感染症であることと関係しています。
歯周ポケットから血液に入り込んだ歯周病菌が羊水に混ざり、胎児の成長を妨害するのです。
さらに、細菌感染によって炎症を起こす物質サイトカインによって子宮が収縮し、早産になるリスクが高まります。
特にプロスタグランジンという物質によって胎盤が早期剥離すると言われています。

歯周病を予防するには

日ごろのセルフケアが重要

プラークは歯磨きがいい加減だとどんどん溜まっていきます。
つまり、日ごろからきちんと歯磨きを行うことが大切です。
歯ブラシを使うほか、歯間ブラシなども使って行いましょう。
さらに、歯周病を予防できる歯磨き粉を使うのも効果的です。
歯ぐきもしっかりとブラッシングすることで歯周病を防止できます。
ただ、あまり力を入れすぎると歯茎を傷めてしまうので注意が必要です。
使用する歯ブラシの硬さはふつうかやわらかめを使うようにしましょう。

予防歯科に通う

歯医者さんが好きな方はほとんどいないでしょう。
あの独特のにおいや機械音だけでも恐ろしい・・という方が多いはずです。
ですが、虫歯になってから行くところではなく、最近では予防歯科という歯や歯ぐきの状態を定期的にチェックしてもらい歯周病や虫歯を防止する方法が広がりつつあります。
ぜひ、歯周病を予防するためにもこの予防歯科に通っていただき、歯や歯ぐきをプロの目によってチェックしてもらうようにしましょう。
予防歯科に通うことで歯周病を早期発見でき、早期治療につなげることができます。

まとめ

歯周病は以上のように、さまざまな全身疾患と関係していることがお分かりいただけましたか?
狭心症や糖尿病、誤嚥性肺炎、心筋梗塞・・などはどれも命に係わる怖い病気です。
もし、歯周病を予防し治療することでこれらの疾患のリスクを低くできるのであれば、ぜひやってみる価値はありそうです。
これからの人生を健康的なものにするために、ぜひ歯周病対策を行ってみてはいかがでしょうか?

 

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