はじめに
インプラント治療は歴史ある治療法とは言っても、世界中で主流になっている治療法が普及したのはごく最近のことです。
それまでの治療法としては入れ歯やブリッジなどが行われていました。
2000年頃から審美性や機能性の高いインプラントが注目され始めたようです。
ここではそんなインプラント治療のメリットやデメリット、治療に向いている人はどういった人か・・などについてまとめてみました。
インプラント治療のメリット
- 審美性が高い
インプラント治療だと見た目がまるでご自分の歯のように美しい仕上がりなのがメリットです。
歯はたった1本ないだけでも見た目が悪くなり、体全体のバランスが崩れると言われています。
今までの治療法である入れ歯だと審美性の視点から言うとあまり期待できなかったのですが、インプラントなら審美性の高さを実現できます。 - 自分の歯のような噛み心地
入れ歯だと粘着性のあるものや硬いものを避けることが多いですが、インプラントならしっかりと噛めるため食事がおいしくなります。
なんでもしっかりと噛めるので、この点についてはブリッジや入れ歯より優れていると言えるでしょう。 - 他の歯への負担が少なくて済む
歯は削るたびに寿命が短くなっていくと言われています。たとえば、1本の歯を補てんするためにブリッジ治療を行うとしましょう。15年も経てば3本全ての歯を抜くことになりかねません。
一般的にインプラント治療ならなくなった歯を補うために他の歯を削ったり、余計な負担がかかることはありません。つまり、他の治療法とは違って残った歯に負担がかかりにくい治療法なのです。 - 歯を気にせず生活できる
入れ歯だと歯にバネをかけたり、人と話す時に入れ歯だと気づかれるのでは・・と気になるでしょうが、インプラントなら歯が外れたり気にする必要がないので生活を楽しむことができます。 - あごの骨が痩せない
あごの骨は歯を支えるためにあるもので、当たり前のことですが歯がなくなればあごの骨はどんどん痩せていくものです。ですが、インプラントを骨に埋めることによって骨が痩せるのを防ぐ効果があります。
インプラント治療のデメリット
- 治療期間が長い
あごの骨に穴をあけて人工歯根を埋め込んでそこに人工歯を装着するため、歯根が骨と結合するのに6ヶ月程度の期間が必要です。
さらに、インプラントを埋め込む骨を増強する手術をした場合にはさらに期間が必要なため治療期間が長くなります。 - 外科的手術が必要
インプラント治療は一般的に2回外科的手術が必要です。
また、人によっては手術のたびに腫れたりすることもあります。
さらに、インプラント治療は外科的手術が必要な治療なので、100パーセント治療が成功するとは限りません。手術によってはそれまで何らトラブルがなかった血管や神経に手を加えることになるため、リスクがあるということを知っておかねばなりません。つまり、インプラント治療は外科的手術が必要であることがデメリットだと言えるでしょう。 - 治療費が高額
インプラント治療は一般的に保険が効かない自由診療のため、クリニックによって費用が変わってきます。
検査代、診断料、手術代、人工歯代どれも自己負担なので材料によって費用が全く違います。
また、クリニックごとに費用に差があって保険で治療できないということもデメリットだと言えるでしょう。 - 治療できない場合もある
インプラントは手術ができない場合があります。
インプラントを埋め込む骨の成長が妨害されるので、成長過程の方は当然治療を受けることが不可能です。
さらに、抵抗力や免疫力が落ちやすく歯周病になりやすい糖尿病の方やお口の中の衛生状態がよくない方、たばこを吸う方、あごの骨の量が少ない方の場合は前もって生活習慣を見直したり、医師の診察を受けて症状をコントロールーして治療に臨む必要があります。 - 噛めすぎる
インプラントは健康な歯より噛めすぎてしまうデメリットがあります。
被せものが割れたりするため、噛む力が強い方の場合は金属製の被せものにする方がいいでしょう。
また、かみ合わせる歯がダメになることもあるため、きちんとかみ合わせる歯も歯周病治療などを行うことが大切です。
もし、歯周病治療が行えない場合はその歯まで将来的にインプラント治療が必要になってしまうからです。 - メンテナンスが必要
インプラント治療が終わったらメンテナンスが必要です。
インプラントは人工物なので虫歯になることはありませんが、ていねいなケアを行う必要があります。
人工歯根を埋め込む箇所は自分自身の歯科組織なのでお口の中が不衛生だと歯周病菌が繁殖してしまうため、インプラント周囲炎になることがあります。より長くインプラントの機能を維持するためにはクリニックでの定期検診が必要です。
インプラント治療に向いている人とは
歯を支えるためのあごの骨の量が十分かどうかというのはインプラント治療を行う上で重要です。
骨の厚みや幅、密度などがじゅうぶんにあることがインプラント治療を適切に受けるためには必要です。
外科的手術が必要で治療期間も長くなるため、お口の中だけでなく全身も健康な状態であることが重要になります。
インプラント治療ができるかどうか検査が必要ですが、インプラント治療を選択した方がいいという方もいます。
たとえば、奥歯が抜けていてブリッジできない、抜けている歯の本数が多くブリッジできない・・などの方です。
さらに、ブリッジ治療のために健康な歯まで削りたくない、ブリッジの寿命がきた・・などの方もインプラント治療を選んだ方がいいでしょう。
入れ歯を入れているために硬いものが食べられない、食事が楽しめない、外れたりずれたりする、違和感がある・・などの方もインプラント治療を検討してみてはいかがでしょうか?
また、美しく若々しい口元を取り戻したいという方にとっても向いていると言ってもいいでしょう。
まとめ
インプラント治療は健康な歯を維持するためにとてもメリットの多い治療法です。
最終的にどの治療法を選ぶのかは自分自身で決めるしかありません。
メリットだけでなくデメリットもしっかりと理解した上で、ご自分に最も合った治療法を選んでみてはいかがでしょうか?
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