ドリルを使わない!?スプリッティング法とは | インプラントのホントのお話

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ドリルを使わない!?スプリッティング法とは

はじめに

みなさんの口の中の歯は全てご自分の健康な歯でしょうか?
最近では歯をなくしてしまった際にインプラント治療を受ける方が増えています。
インプラント治療は健康な歯と同様に食事をしたり、会話を楽しんだりできるため人気の治療です。
インプラント治療を受ける際、骨の垂直的な厚みがあっても水平的な厚みがない場合がありますが、その場合には骨移植を行って骨を造成する必要があります。
その際に骨の柔軟性を活かして幅を広げる治療を行うこともあり、この方法をスプリッティング法と言います。
骨の6割はたんぱく質でできていると言われており、骨を強く握ると痕がつくほど柔らかい性質があるので、その性質を利用して押し広げるものです。
このスプリッティング法とは小さな切れ目や穴などから骨を少しずつ広げてインプラントの直径近くまで広げていく術式ですが、ここではスプリッティング法についてまとめてみましょう。

最新のインプラント治療とは

現在、インプラント治療は日々進歩を続けています。
最新のインプラント治療では従来の術式のデメリットを取り除いたものが増えています。
たとえば、健康上の理由でインプラントを受けられなかった方でも手術が可能なものや、総入れ歯の代わりになるような治療法です。
具体的に言うと次のようなものが挙げれます。

スプリッティング法とは

上でご紹介したインプラント治療の中でも特に最近注目されているのがスプリッティング法というものです。
今までは歯をなくしてしまった方がインプラント治療を受けたくてもあごの骨の幅が足りないことでインプラントを埋めるスペースがなく、治療を断念することが多かったです。
そのような場合にGBR法という方法で骨の幅を増やす必要がありますが、この治療は大変難しく骨の幅が少ない場合には困難なので、手術時間が長時間になり患者さんの精神的、肉体的負担が大きかったです。
インプラントを埋め込むにはまず最小に細いドリルで骨に小さい穴をあけ、次に使うドリルを太くすることでインプラントを埋入する穴を作っていきます。
この時に太いドリルで掘り始めるのではなく、押し広げるような器具を使ってインプラントを埋め込む穴を作っていくのがスプリッティング法というものです。
このスプリッティング法なら骨の幅が少ない方でもインプラントを埋め込むことが可能になります。
それは、骨を押し広げるということは骨密度が上がると同時に、インプラントを埋め込んだ後もインプラントを抑える力が生まれるので安定性が向上するからです。
さらに、骨を削る量が少なくて済むため、出血や切開、痛みや腫れなどが軽減できます。

スプリッティング法の術式とは

ではスプリッティング法の術式とはどういったものなのでしょうか?
このスプリッティング法の術式はまずとても細いドリルを使っていきます。
その後に穴があいたところに骨を広げていく器具を入れていきますが、これはドリルとは違います。
骨の幅を広げる器具を少しずつ大きいものにしていくことで穴を広げていくわけですね。
そんな方法で骨が広がっていくの・・?と思われるでしょうが、骨には弾力性がありますので、少しずつ広げていくことによって穴がだんだんと大きくなっていくのです。
木の板にねじつきの釘をねじ込んでいくようなものをイメージしていただけるといいですね

スプリッティング法の種類とは

骨を削ることなく広げるインプラント治療にはさまざまな種類のものがありますが、一般的に器具を使い少しずつ骨を広げそのスペースに埋め込むものが多いです。

歯槽骨拡大術

この方法はインプラントを埋めこむ骨に小さい穴を開け、棒状の器具を押し込み広げていく方法です。
中には棒の代わりにネジ状の器具を使うこともあるようですが、細い直径のものからだんだん太いものに変えていき、歯槽骨を拡大していきます。
インプラントを埋め込むのにじゅうぶんな厚みが得られれば、そのスペースにインプラントを埋め込んでいきます。
これは骨の厚みが4ミリ以上あるような上顎の前歯の治療に適しており、それ以下の厚みの方は次の方法で治療を行うことが多いです。

歯槽堤分割術
この方法は骨の厚みが4ミリに満たない骨が極端に薄い方に適しています。
ノミのような形の器具を使って押し広げていくものですが、この方法はダイレーターより細い器具を使って行い、状態を診ながら少しずつ骨を広げていきます。
そのスペースにインプラントを埋めていきますが、それだけだと骨の量が足りない場合が多いため骨とインプラントとの間に骨を作る材料を詰め、骨を造成することもあります。
それまでの方法だとハンマーのようなものでノミを叩き骨を広げていましたが、最近では超音波振動を使って患者さんの負担を軽減しつつ骨を広げることができるようになりました。

スプリッティング法のデメリットとは

では、メリットが多いスプリッティング法にもデメリットは存在するのでしょうか?

手術時間が長い

スプリッティング法のデメリットは小さな器具から大きな器具に変
えながら行うため、ドリルを用いて行う手術と比べると手術時間が長時間にわたるというデメリットがあります。

適応できる範囲が狭い

骨の伸縮性や柔軟性を利用する手術なので、骨が硬い下あごや骨が硬い方には適さないことがあります。

まとめ

いかがだったでしょうか?
ドリルをほとんど使わずに行えるスプリッティング法は手術後の痛みや腫れがほとんどない治療法ですが、どんな症例の方にも行える治療法ではありません。
もっとも大切なことはそれぞれの患者さんに対して適切な治療を選んで行うことでしょう。
これからも新しい治療法はどんどん開発されていくでしょうが、新しい治療法ができたからと言ってすぐに飛びついたりせず、正確な臨床データーや裏付けなどを見た上で選ぶことが大切でしょう。
つまり、エビデンスに基づいた医療を見極めて受けることが重要です。
ぜひ、今後インプラント治療を受ける機会があった時のご参考になさってみてください。

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