歯を失ってしまったら、失った部分の機能を回復しなければいけません。
そこでまず思い浮かぶのが「入れ歯」ではないでしょうか。そのくらい最もポピュラーな治療法です。
入れ歯治療はほとんどの歯科医院で行われており、手術などの外科処置を必要としないため、口の中や顎の状態に関係なく作成することができます。
では肝心の機能面は、ブリッジやインプラントに比べてどうでしょうか。
今回は、入れ歯治療についてインプラントやブリッジと比較しながらお話します。
噛む機能を回復させる選択肢は
口の健康は、体の健康への入り口です。
食べ物をしっかり噛むことで唾液の分泌を促し、消化を促進します。また噛むことは脳を刺激し、認知症などを予防する働きもあるのです。
歯を失うと噛み合わせのバランスが崩れ、噛む力も弱くなってしまいます。
またよく噛まないと、肥満の原因や胃腸に負担がかかってしまうなど、生活習慣にも大きく影響します。
このように、歯を失うことは口の中だけでなく、体の健康にも大きく関係するのです。
歯を失ったらすぐに機能回復の治療を行い、しっかりと咀嚼できるようにならなければいけません。そのための選択肢として入れ歯、ブリッジ、インプラントがあります。
部分入れ歯と総入れ歯について
保険適用の場合、部分入れ歯かブリッジ、歯が一本も残っていない場合は総入れ歯が治療の選択肢となります。
保険治療は費用が抑えられる分、素材は限定されるため、審美的には自費のものに劣ります。
部分入れ歯の場合は、クラスプと呼ばれる金具を歯にひっかけて固定して使います。
部分入れ歯の場合、口を開けたときにクラスプが見えてしまうため、見た目に「入れ歯を入れている」とわかってしまいます。
部分入れ歯かブリッジのどちらになるかは、失った歯の本数や残存歯の状態で歯科医師が判断し、残存歯で虫歯や歯周病など治療が必要な歯があれば、先にそちらを治療します。
総入れ歯の場合、保険治療では床(しょう)と呼ばれる歯以外の部分がプラスチックでできているものに限ります。
保険で作れる総入れ歯は安価でできる半面、咀嚼力が弱く味がわかりにくい、また外れないかと会話中に気になってしまう問題点があります。
また総入れ歯は顎の骨が吸収されやすいため、次第に合わなくなってきます。
合わなくなってくると口の中でガタガタと不安定になり、食べ物を噛むことも会話も不自由になってくるため、調整や作り直しが必要になってきます。
噛む力や強度について
入れ歯はブリッジやインプラントと比べて、どうしても噛む力が劣ります。
これは保険適用の入れ歯だけでなく、自費の入れ歯に関しても強度の面で不安が残ります。
インプラントの強度は天然歯とほぼ変わらず、自分の歯のようにしっかりと噛むことができます。
これに対しブリッジの強度は天然歯の約60%と強めですが、入れ歯になるとどうしても噛む力が劣り、部分入れ歯の場合は天然歯の約30~40%、総入れ歯になると約10~20%とかなり弱くなり、硬いものを噛みづらくなります。
特に総入れ歯はよほどぴったりと精密に作製されないと、食べ物を噛むたびに入れ歯が浮き上がる感じがしてしまいます。特にお餅などひっつきやすい食べ物で入れ歯が外れそうになったり、歯ぐきや上顎と入れ歯の間にゴマやいちごの種などの小さなものが入り込みやすく、食事のたびに気になってしまいます。
また部分入れ歯の場合、クラスプをかける歯(釣歯)に負担がかかってしまいます。
部分入れ歯作成の場合は、まず残っている歯がどのような状態か確認しなければいけません。
虫歯や歯周病がある場合は、まずその治療を行う必要があります。
必要な治療が終わると、入れ歯の型取を行い、完成後は噛み合わせやクラスプの調整をします。
使い始めて違和感や痛みなどを感じたら、すぐに歯科医院に連絡し、調整を行います。
入れ歯の手入れ
入れ歯は食べ物が挟まりやすいため、不衛生になりかねません。常に口腔内と入れ歯を綺麗にしておかないと、口臭などの原因になります。
入れ歯は取り外し式のため、手入れが比較的簡単です。毎食後、義歯ブラシや清掃用の歯ブラシを使って、流水で汚れを落とします。
外出時でも食事の後に入れ歯を外し、さっと水で流すだけでもかなり衛生的です。
また入れ歯洗浄剤も色々な種類が販売されているので、一日に一度は入れ歯洗浄剤を使ってすっきりと汚れを落とすようにして下さい。
保険適用の入れ歯と自費治療の入れ歯
入れ歯にも、保険と自費があります。保険適用の入れ歯は、歯と歯ぐきに当たる部分がプラスチックで、部分入れ歯の場合歯にひっかける金具がどうしても見えてしまいます。
自費の部分入れ歯にはクラスプが見えないスマイルデンチャーやシリコンデンチャーなどがありますが、いずれも咀嚼力は劣ります。
総入れ歯で保険適用のものは、床(しょう)と呼ばれるピンク色の部分と歯の部分がプラスチックになります。
自費のものになると、床の部分が金属でできている金属床義歯、一部にシリコンが使われているシリコーン義歯、アタッチメント義歯など機能面で保険の総入れ歯よりは、機能面で優れていると言えます。
しかし、入れ歯はどうしても咀嚼面でインプラントやブリッジに劣ってしまいます。
その中でも総入れ歯は特に咀嚼力が弱いため、しっかり噛めるレベルの咀嚼力や審美面を考慮すると、オールオン4が最適でしょう。
まとめ
このように、入れ歯は最もポピュラーで負担がかかりにくい治療法ですが、機能面におけるデメリットもあります。体の健康は、食事からです。きちんと噛めるために、ブリッジやインプラントも考慮しながらいちばん最善の方法をとるようにして下さい。
インプラントが気になったら…
筒井歯科では高い技術のある名医がインプラント治療を行ってくれます。
インプラント治療専用フリーダイヤル無料カウンセリング
0120-703-221
★お気軽にお問い合わせください