以前は虫歯になってから歯医者で治療を行っていました。
しかし今は予防の認識が強くなり、「虫歯は自分で予防するもの」という意識が高まっています。
ただブラッシングするだけでは不十分な場合があります。
虫歯になる要素を取り除き、虫歯をしっかり予防するポイントをお伝えします。
目次
虫歯になるしくみ
歯の表面は硬いエナメル質に覆われています。食事をとった後、歯に残った食べかすに虫歯菌が付着し、炭水化物や糖を分解して酸を出します。
この酸によりエナメル質が溶かされることを「脱灰」と言います。この脱灰の状態から唾液に含まれる成分により修復されることを「再石灰化」と言います。
つまりわたしたちの口の中は脱灰と再石灰化を繰り返しているのです。しかし歯磨きがしっかり出来ておらず、糖分などを取りすぎることで酸がたくさん作り出される状態が長時間続くことで虫歯になってしまいます。
逆に、虫歯になる要素を取り除くことで、虫歯になりにくい口の中を作ることができます。
虫歯予防のための7つのポイント
1.フロス、歯間ブラシ、ワンタフトを使う
歯ブラシの種類はたくさんありますが、歯ブラシによるブラッシングだけではどうしても汚れが残ってしまいます。
特に歯と歯の間は食べかすが挟まりやすく、歯ブラシの毛先だけではなかなか取りきれません。そこでおすすめがデンタルフロスの使用です。
フロスを歯と歯の間に通すことで、細かな汚れを取り除くことができます。特に歯並びが悪い人はブラッシング不足になりやすいため、フロス使いが望ましいです。
また歯間ブラシも綺麗に汚れを取り除くことができますが、強く通しすぎると歯肉を痛めてしまうので、気をつけて使用して下さい。そしてワンタフトブラシも、歯を1本1本綺麗に磨くことができるので、おすすめの歯ブラシです。
特にインプラントをしている人や矯正装置を着けている人はワンタフトを使うようにして下さい。
2.間食を控える
食後の口の中は酸性に傾いています。この状態は脱灰しやすい環境ですが、唾液の修復成分によりだんだん中性に近い状態になります。
虫歯にいちばんなりにくい状態が中性であり、食後1時間ほどかけて中性に戻ります。ところがちょこちょこと間食をすると、口の中が常に酸性の状態のためいつまでも中性に戻りません。口の中が酸性ということは、虫歯が作られるのにとても良い環境なのです。
虫歯を作らない口内環境を作り出すためにも何度も間食せず、回数を決めることが大切です。
3.フッ素ジェルの使用(寝る前)
フッ素が虫歯予防にとても効果があることはよく知られており、歯科医院でフッ素塗布を行う人も多いと思います。
また削る必要のない初期の虫歯に対し、フッ素が再石灰化を促すため、初期の虫歯はフッ素を使って治療します。
フッ素入りの歯みがき粉はもちろん、最近ではフッ素コートジェルが販売されており、日常のセルフケアでもよりフッ素を取り入れやすくなりました。特に夜寝る前のフッ素ジェルは虫歯予防に効果があります。
寝ている間は唾液の分泌が少なくなるため、虫歯菌が口の中で繁殖しやすくなります。フッ素ジェルを寝る前に塗っておくことで、虫歯菌の抑制やフッ素による歯質の強化が期待できます。
コツは、フッ素を塗ったあとのうがいは少量の水で一度だけ行うことです。フッ素は少しでも長く口の中に留めておくことで効果が高まります。ぜひ日常のセルフケアにフッ素を取り入れてみてください。
4.食後にキシリトールガムを噛む
キシリトールは自然から抽出された甘味料で、虫歯の原因となる酸を作り出しません。
また食後にキシリトールガムを噛むことで唾液の分泌を促します。唾液は歯の再石灰化を促すのに非常に大切な役目があるため、酸を作り出さないキシリトールガムをしっかり噛むことも虫歯予防になります。
また虫歯菌(特にミュータンス菌と呼ばれる細菌)の活動を弱めてくれる役目もあると言われています。
キシリトールガムはたくさん販売されていますが、キシリトールが50%以上含まれているものを選んでください。
歯科医院で販売されているキシリトールガムは、ほとんどが100%のものなので、できれば歯科専売のものがおすすめです。
またキシリトール以外の甘味が入っていると意味がありません。キシリトール50%超えているか、シュガーレスのものを選ぶようにして下さい。
5.唾液腺マッサージ
唾液はわたしたちの体に非常に大切な役割をもち、口の中に関しては虫歯予防、歯周病予防の働きがあります。
唾液を分泌させるためにはまずよく噛むことが大切ですが、唾液の分泌が少ない人、服薬の副作用により唾液が出にくい人は歯の再石灰化がうまくいかないため、虫歯になるリスクが非常に高くなります。
そこで唾液腺を刺激することにより、唾液の分泌を促す「唾液腺マッサージ」がおすすめです。
唾液腺の場所として耳下腺(上の奥歯の頬骨の辺り)、顎下腺(顎の骨の内側の柔らかい場所)、舌下腺(舌の付け根の下辺り)を指で押さえるようにマッサージしてください。
6.二次カリエス予防のためのセラミック治療
金属の詰め物や被せ物治療を行った歯が再び虫歯になることを「二次カリエス」と言います。
この二次カリエスは、詰め物や被せ物の隙間から虫歯菌が侵入し、内部で虫歯が広がるために起こります。
金属を使って治療した歯は、年数が経つにつれて接着したセメントが溶けていくことにより隙間が出来てしまいます。そして二次カリエスを治療することで数年後にはまた新たな虫歯ができてしまうという、悪循環に陥ってしまいます。
この二次カリエスを防ぐためには、セラミックを使った治療が最善策です。
セラミックは接着剤と歯に接合しやすいため、虫歯菌が入り込む隙間ができません。このように、以前保険治療をした虫歯をセラミックに変えることも虫歯予防策の一つです。
7.定期健診
そして歯科医院での定期健診がとても大切です。定期健診やクリーニングを行うことで、虫歯予防や、万が一の早期発見に繋がります。また定期健診を受けることで、患者様自身の虫歯予防や口腔内に対する意識が高まります。
以上、虫歯予防のための7つのポイントを説明しました。いつまでも健康な歯を守るために、ぜひ参考にしていただければと思います。
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