どんなに良い治療法でも、メリットよりデメリットの方が大きければそれを選ぶことはできません。
インプラント治療は口腔外科手術を伴う治療方法です。仕上がりはとても綺麗な治療方法ですが、治療中は口腔内の出血も伴いますし、麻酔を使った治療となります。
そこで今回は、インプラント治療のデメリットについて説明します。
目次
インプラントは誰にでも万能な治療方法ではない
インプラント治療を行う前に、インプラントは誰にでも万能な治療方法ではないという事を覚えておきましょう。というのも、インプラント治療は、日々進化を遂げています。
術式もさまざまで、世界規模では200種類以上が提唱されています。ですから、オールマイティーに、誰にでもあうインプラント治療という方法はありません。治療にかかる時間やお金も、ピンからキリまであります。
手術が必要
インプラント治療は手術が必要です。インプラントは歯が完全になくなってしまった場所に、インプラント体と呼ばれるねじのような人工物をあごの骨に埋め込みます。
そしてその上に人工の歯を被せることで本物の歯のようにするという、口腔外科手術になります。
手術といっても歯科治療と同様に院内で行いますが、麻酔も使いますし、手術箇所周辺の神経や血管などに影響が出る可能性が0%とは言いがたいのが現状です。
口腔外科の手術に伴い、口内の痛みや出血、腫れが引かないといった症状が出るケースもあります。口内の不快な症状は2~3日程度で状態が落ち着く人が多いですが、まれに発熱や体調不良を起こすケースもあります。
体調がよくなければダメ
手術を受けるということは、当然体調は万全でなければいけません。特に口の中は重要です。
ケガをしている、具合が悪いなどという場合はインプラント治療を受けることができない場合があります。
インプラント治療計画で、主治医から予め治療スケジュールが伝えられます。口腔外科手術を伴いますから、口腔内が清潔な状態でなければ手術は行えません。
重度の歯周病や骨粗しょう症といった症状がある人は、予めそれらの治療を行うことでインプラント治療が可能になります。
喫煙者はすぐに禁煙を!
タバコを吸う人でインプラントを希望する人は、すぐにでも禁煙をオススメします。
流行中の電子タバコでも同様です。タバコに含まれるニコチンは、血液中の白血球の作用を低下させてしまいます。体の免疫力も下がり、歯肉に炎症を引き起こす原因にも挙げられます。
さらにニコチンが原因で、体内の血流が悪化します。術前・術後を問わず、骨や歯周組織へ酸素や栄養が不足すると、歯周組織や骨が弱まり、手術で埋め込んだインプラントが外れてしまうこともあります。喫煙者だからインプラントが禁忌ではありませんが、術後を考えると、まずは禁煙からスタートすると良いですね。
2型糖尿病・心臓病・高血圧の人は注意が必要
2型糖尿病を患っている人は、血糖値のコントロールが良好な場合は治療が可能です。ですが、インプラント治療後には、食事制限が行われる事も少なくありません。低血糖症を防ぐためにも、歯科だけでなく内科との相談も必要になります。
心臓病を患っている人は、心臓発作を起こしてしまう可能性があります。
インプラント治療当日から4週間以内に心筋梗塞・狭心症と診断された場合は、心筋梗塞発作を起こしやすい危険な時期と言われています。
この期間は、歯科治療を避けた方が良いでしょう。ペースメーカーを入れていたり、僧帽弁置換術を受けた人も、インプラント治療などで出血を伴い外科処置を行うことで、感染性心内膜炎になる可能性もあります。
高血圧を患っている人は、合併症を引き起こしてしまう可能性があります。
他にも内蔵疾患などの持病のある人は、事前に主治医と相談することをオススメします。
インプラント厳禁の病気
1型糖尿病や免疫不全を患っている人、また放射線治療を受けている人は、基本的にはインプラント治療は行えません。
特に放射線治療とは相性が悪く、顎の骨が炎症を起こしてしまうことがあります。
妊娠中は不可
新婦はインプラント治療を受けることはできません。手術後に抗生物質や鎮痛剤などの服薬するケースが多いため、妊婦はインプラント治療を控えた方が良いという事になります。
処方される抗生物質や鎮痛剤の服薬が、胎児への影響に懸念もあります。加えて、悪阻や長時間上向きで治療を受けることで体調を崩したり、早産のリスクなども考えられます。
薬の影響を考えると、母乳で子供を育てている方も、卒乳の時期を目安にインプラント治療を考えると良いですね。
成長期の子供もインプラント治療は不可
歯が永久歯に生え変わった子供も、成長期の間にインプラント治療を行う事はオススメできません。
成長期は、体全体が成長する時期です。身長や体重に変化があるだけでなく、顎の骨も大人の体になるように日々成長しています。
骨も成長していますので、インプラントを埋めても骨が成長し歯の位置がズレてしまうことがあります。およその目安ですが、骨の成長は18歳~20歳前後で止まると言われています。子供のインプラント治療については、身長が伸びなくなった時期以降を目安にすると良いですね。
まとめ
インプラント治療のデメリットの中には、自分で解消できるものも多くあります。大切なことは、事前に主治医と相談し、体にあった方法で治療に臨む事が必要です。
筒井歯科では、健康状態や生活習慣も十分に考慮した治療方法を提案します。まずは自分の健康状態を知り、インプラント治療を受ける上でのデメリットも考慮して治療に望むと良いですね。
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