虫歯や歯周病、思いがけない事故などが原因で歯を失ってしまった場合には、「歯が抜けた部分に何もせず放置する」という事はしてはいけません。
その理由は、歯が抜けた場合にそのままでいる事で歯が傾いたりかみ合わせが悪くなるなど、たくさんのリスクが発生するおそれがある為です。
歯が抜けた時には、患者様ご自身に合った方法で抜けた部分の歯を補う必要があります。
今回は、「放置しておくと危険!歯が抜けた後にすべき最適な治療法は?」について詳しく解説をさせていただきます。
■歯が抜けた後に行う治療法
歯が抜けてしまった時には、抜けた直後に治療は行わずにひとまずは抜けた歯の傷が治るのを待ちます。
個人差はあるもののおおよそ「1~2週間」で抜けた歯の傷は回復しますので、傷が治った事を確認した上で治療を行います。
歯が抜けた後に行う治療法には以下の3つがあります。
部分入れ歯
部分入れ歯は歯が抜けた箇所に人工の歯を入れる治療法であり、天然の両隣の歯が残っているケースでは隣の歯に金具をかけて入れ歯を装着しますが、場合によっては抜けた歯の反対側に金具をかけて入れ歯を装着させる事もあります。
部分入れ歯の特徴としては保険が適用出来る保険診療での治療が可能な点と、金具を取り外しながら使う事が出来る為、お口の中を清潔に保つ事が出来るという点があります。
部分入れ歯は壊れてしまった時や別の歯を失ってしまった場合でも、修理をして使い続ける事が可能となります。
しかし、部分入れ歯は人工の歯を金具を使って支える仕組みの為、食べ物を噛む時に違和感が出やすく、入れ歯に慣れるまでに時間がかかるケースも多いです。
部分入れ歯のメリット
・保険を適用した保険診療が可能
・残っている天然の歯を削らなくてよい
・いつでも取り外しが出来、お口の中を清潔に保つ事が出来る
・お口の形に合わない時は作り直しが出来る
部分入れ歯のデメリット
・金具で入れ歯を支えているだけの単純な仕組みの為、使用中にズレたり外れてしまう事がある
・外から見た時に金具が見えてしまい、見た目があまり良くない
・清潔に使う為、取り外して手入れを行う必要がある
ブリッジ
ブリッジは歯が抜けた部分の両隣の歯を支柱にして、文字通り「橋のように」人工の歯を渡す治療法です。
ブリッジは一見すると部分入れ歯のように見えますが、ブリッジ治療を行う時には残っている天然の両隣の歯を削る必要があり、一度取り付けたブリッジは自分で取り外す事が出来なくなります。
部分入れ歯と同様に保険を適用した保険診療での治療が可能なブリッジ治療ですが、両隣の歯を大きく削る必要がある為、場合によっては健康な歯に痛みが出てしまうなど、デメリットも少なからず存在する治療法となります。
ブリッジのメリット
・保険を適用した保険診療が可能
・金具で取り付ける部分入れ歯よりも噛み心地が良い
・部分入れ歯と異なり外からは金具が見えない為、見た目が良い
・接着剤で取り付ける固定式の為、部分入れ歯のように取り外して洗う必要がない
ブリッジのデメリット
・支柱になる両隣の歯を大きく削る必要がある
・支柱になる両隣の歯を削った部分が虫歯や歯周病になりやすい
・残っている天然の歯を削る際に痛みを感じる事がある
・支柱となっている歯の虫歯に気づきにくく、症状が進行してしまうおそれがある
・支柱となっている歯が虫歯になった時には、ブリッジを壊して治療をする必要がある
・ブリッジの部分の歯ぐきに負担がかかりやすく、歯ぐきに痛みが出る事がある
・支柱となる歯が弱っている場合には、歯が揺れたりブリッジに隙間が出来てしまう事がある
インプラント
インプラントは、歯が抜けた部分のあごの骨にチタン製のインプラント体を直接埋め込む治療法です。
金具で装着するだけの部分入れ歯や接着剤で取り付けるブリッジとは異なり、インプラントはチタン金属と骨が結合して人工歯根となる為非常に安定性が高く、天然の歯とほとんど変わらない見た目と噛み心地をよみがえらせる事が出来ます。
安定性も高く見た目にも優れているインプラントですが、治療には外科的な処置を必要とするほか、原則として保険は適用されず治療はすべて自費診療になります。
インプラントのメリット
・残っている天然の歯に影響を与えず治療を行う事が出来る
・人工歯根を埋め込む為、食べ物をしっかりと噛む事が出来る
・食事中の噛み心地が天然の歯とほとんど変わらない自然な噛み心地になる
・人工歯根に上部構造である歯を連結させる為、見た目が自然の歯に近くなる
・部分入れ歯やブリッジで感じやすい「使用中の違和感」がほとんどない
・部分入れ歯のようにズレたり外れる心配がほとんどない
インプラントのデメリット
・保険は適用されず、治療はすべて自費での診療になる
・治療には外科的な処置が必要となる
・インプラント手術に対して精神的、肉体的負担を感じてしまう場合がある
(手術中は麻酔を施しますので痛みを感じる事はありません)
・あごの骨の厚みや幅が足りない場合や、喫煙習慣、糖尿病など身体の健康状態によっては治療が出来ないケースがある
・治療にかかる期間が長くなる(トータルで3~10ヶ月ほど)
・治療後にはインプラントの定期的なメンテナンスが必要となる
・感染症など、外科的手術で発生する治療のリスクがある
それぞれの治療法のメリットとデメリットを見極める事が大切
「歯が抜けた後の最適な治療法」についてご説明をさせていただきました。
虫歯や歯周病、事故などが原因で歯が抜けてしまった場合には決してそのままにはせず、出来るだけ早く歯科医院を訪れて治療を受ける必要があります。
治療を受ける際にはどの方法がご自分に合っているのかをよく見極め、それぞれの治療法のメリットとデメリットを把握した上で納得の行く治療を受けるようにしましょう。
現代の歯科医療は、日々進化しています。
歯が抜け落ちてしまってとても大きなショックを受けてしまうかもしれません。ですが、歯が抜け落ちてしまったから、すぐに入れ歯という選択は少しだけ考えて欲しいと思います。
筒井歯科では、入れ歯の他にも、インプラントやブリッジを使った治療方法についても的確に提案できます。
毎日のケア方法に不安を感じたら、まずは健診を受けてみてください。
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