歯の健康を維持することは、体全体の健康を維持することと同じです。わかりやすく言えば、歯を失った人が、思いっきり笑ったり好きな物を食べたりできないことでストレスを抱え、頭痛・免疫力低下・血行不良などの病気を併発する、といったケースです。
歯の健康は最低限、自分で管理することができます。
ここではそのメリットや方法について詳しく紹介します。
目次
歯のケアによるメリットはたくさん!
日常から歯のケアが必要な理由は、1つだけではありません。
正しい方法でケアを行うことで、相乗的に様々な効果が期待できます。
- ●着色汚れを防ぎ、歯の白さを保つ
- ●口臭を防ぐ
- ●虫歯の発症・進行を抑える
- ●プラーク(歯垢)を除去し、歯周病を防ぐ
- ●タバコのヤニによる粘つきを抑制する
- ●ストレスの軽減
簡単に挙げただけでもこれだけあります。
一方、放置することのリスクはこれらの効果を失くすだけでなく、間接的に体全体に悪影響を及ぼしていきます。
歯の病気を放置するとこんなリスクが…
歯の病気で代表的なものと言えば、虫歯が思い浮かぶと思います。
たかが虫歯、と侮ってはいけません。
まず、虫歯は症状によってC0~C4という段階に分けられているのですが、放置し続けてC4(最終段階)まで達した場合、歯の神経(歯髄)は死んでしまい、歯が溶けて再生不可能な状態になります。当然、まだ虫歯の原因菌は生きているので、さらに放置することで、菌による浸食は顎にまで達し炎症を起こします。そこから血液を通して体全体に菌が巡り、最悪の場合、死に至る可能性も否定はできません。
日ごろの歯のケアは、病気や異常状態を予防するためであるとともに、自覚症状がないC0、C1の虫歯や初期の歯周病症状をセルフチェックするためにも有効です。
自宅でできるセルフケア5つ
①歯ブラシによるケア
正しい方法でのブラッシングは、何よりももっとも大切なケア方法です。
歯ブラシの正しい使い方は、次のような手順です。
- 歯ブラシを水で濡らし歯磨き剤(歯磨き粉)を付ける
- 歯と歯肉の間にブラシを垂直に軽く当てる
- 歯ブラシを小刻みに動かし、一本一本の歯を丁寧に磨く
- 左右が終わったら上下も同じように磨く(歯肉を傷めないように)
- 汚れが残らないようにしっかりと口をゆすぐ
これらの手順はあくまでも基本です。歯や歯肉の状態、口内環境などは、人によって千差万別です。かかりつけの歯医者からの指導があれば、そちらを参考にするようにしてください。
また、多くの歯磨き剤には研磨剤や発泡剤、フッ素といったブラッシングによるケア効果を高める成分が含まれています。特にフッ素には、歯のエナメル質を強化する働きがあるので虫歯予防には効果的です。
②電動歯ブラシによるケア
近年は、様々な種類の電動歯ブラシが開発されており、品質も高まっています。手で磨くだけでは除去できない汚れを、電動歯ブラシの高速振動・回転によって取り除くことが期待できます。たとえば、音波ブラシや超音波歯ブラシと呼ばれるものがそれに当たります。
どちらがより効果的である、と断定はできませんが、超音波ブラシは毛先の動きが高速すぎることから、人によってはプラークを除去しにくい場合もあると言われます。
電動歯ブラシの正しい使い方は、次のような手順です。
- ブラシ部分に水をつけて充分濡らす
- 歯磨き剤を付ける(泡立ちが少なく研磨剤が含まれていないもの)
- 歯と歯肉(歯茎)の間にブラシを軽く当てる
- 3~5秒ほど経ったらゆっくり隣に移動させる
- 4を繰り返し、汚れが残らないようにしっかりと口をゆすぐ
③マウスウォッシュ(オーラルリンス)によるケア
歯磨きするのが面倒だからと言って、朝・就寝前の口内清掃をマウスウォッシュだけで済ませている人はいませんか?
マウスウォッシュに抗菌効果があるのは事実ですが、それだけでは歯そのものや歯と歯のすき間に付着している汚れをキレイに取り除くことはできません。また、歯周病の元となる歯周病菌や虫歯の元となる虫歯菌などの大部分は、バイオフィルムと呼ばれる菌の膜によって覆われているので、なおさらです。
マウスウォッシュの効果を最大限発揮させるには、まずは、正しいブラッシングによってこれらの汚れや菌をできるだけ取り除いておく必要があります。
また、フッ素入りの歯磨き剤を使用した後にマウスウォッシュを使用すると、フッ素も一緒に流れてしまうので、覚えておきましょう。
④デンタルフロスによるケア
歯と歯の間は一般的な歯ブラシでは磨きにくいため、汚れや菌が溜まり易い部分です。だからといって無理に磨くと、歯や歯肉を傷つけむしろ悪化させてしまいます。その点フロスを使用することで、除きにくい部分の汚れも効果的に取り除くことができます。
また、一口にデンタルフロスと言ってもその種類は豊富です。指に巻き付けて使用する糸タイプ、持ち手(柄)の先にブラシがついているタイプ、奥歯用や前歯用で形が異なるタイプなどがあります。
⑤キシリトール配合のガムによるケア
虫歯予防の先進国フィンランドで初めて開発されたキシリトールガムは、今や世界中で使われている虫歯予防のアイテムです。キシリトールガムが口内環境を清潔に保つ理由は、主に次の3つです。
- ●歯を溶かす「酸」を作らせない
- ●唾液が出やすくなる
- ●歯の脱灰を抑制する
キシリトールガムの甘さは、糖ではなく天然甘味料の甘さです。糖は酸を作る元になりますが、キシリトールガムにはそのリスクがありません。また、脱灰とはミネラルやイオンが歯の表面から溶け出すことを言いますが、キシリトールはこの脱灰を防ぎ、歯の再石灰化を促進させるのです。
歯医者への検診でセルフケア効果をアップさせる
自分でできるケアには限界があります。たとえば、歯のケアを始めたのが遅い人の場合、プラークが放置されて歯石になっている場合があります。菌の温床である歯石はとても硬いため、ブラッシングやフロスでは取り除くことができません。歯医者での歯石除去治療を行う必要があります。
また、本格的なセルフケアの経験がない人は、自分の方法が正しいか不安に感じることもあるでしょう。定期的に歯医者へ検診に行くことで、自分の口内環境に適した正しいセルフケアの指導を受けることができますし、自覚症状のない初期段階の病気を早期に発見・治療できることにつながります。
歯の異変に気づいたら?早期発見は筒井歯科で
筒井歯科ではインプラントやホワイトニング、予防歯科なども行っております。
毎日のケア方法に不安を感じたら、まずは健診を受けてみてください。
筒井歯科はこちらから↓