目次
はじめに
みなさんは歯周病とはどういった病気か具体的にご存じでしょうか?
歯周病は進んでしまうと歯槽膿漏という状態になり、歯が抜け落ちてしまう病気だと言われています。
この歯周病は痛みなどが全くないまま進むため、噛んだ時に違和感があるなどの自覚症状が出始めた頃にはかなり重度の炎症が起きていたりします。
なので、歯周病のサインに少しでも早く気づいていただき、適切にケアすれば歯周病を予防することができるのです。
歯周病になってしまわないように適宜、歯周病のセルフチェックを行ってみると良いでしょう。
ここでは、歯周病についてそのリスクなども含めて説明します。
歯周病とは
歯周病とは一言で言うと、歯を支えている歯ぐきや歯槽骨が侵されてく病気のことを言います。
歯ぐきの内側を普段見ることはできないですが、歯根の表面にあるセメント質と歯槽骨との間の歯根膜という線維はつながっており、歯が骨から抜けてしまわないよう支えています。
虫歯は歯自体が侵されていく病気なのですが、歯周病は組織が破壊され最終的に歯が抜け落ちる怖い病気です。
ちなみに、日本人の40歳以上の8割もの人がこの歯周病にかかっているそうです。
日ごろの生活習慣によりこの病気になるため、生活習慣病の一種だと言われています。
歯周病セルフチェック
- 歯肉の色が赤いまたはどす黒くなっている。
- 歯肉がストレスがかかっている時、疲労時に腫れやすい。
- 歯と歯の間が腫れぼったく丸い。
- 歯が伸びてきたような気がする。
- 歯肉が退縮し、歯間に隙間ができている。
- 歯が動く。
- 歯磨きした時歯ぐきから血が出やすい。
- 起きた時に口の中が苦くねばねばしている。
- 歯の表面を舌で触ってみるとザラッとする。
- 歯ぐきを押すと白い膿が出る。
- 上顎の前歯が出てきている。
- 歯間に食べ物がよくつまる。
- 口臭がある。
もし、この中で1つでも当てはまるものがあったら早めにクリニックを受診しましょう。
歯周病の治療法とは
歯周病は歯ぐきの炎症から始まり、その後進行していくと骨を溶かしていきます。
歯ぐきの炎症だけであればまだ治ることもありますが、一度骨が溶け出すと溶けた骨は元に戻りません。
なので、いかに進行を早めに食い止めるかが重要なポイントになります。
具体的に言うと、まずはプラークコントロールと言って歯と歯ぐきの周りのプラークをブラッシングによってしっかり除去することが大切です。
これが日ごろからちゃんとできていないと、いくらクリニックで治療してもらっても全く意味がありません。
プラークがちゃんと除去できるだけでも炎症は落ちつきます。
なお、クリニックでは歯ブラシだけでは除去できない歯石を器具や器械などを使い除去してくれます。
歯石とはプラークが唾液のミネラル分で固まったものを言い、その凹凸に入り込んでしまったプラークが悪影響を及ぼすため、歯石をしっかりと除去することが重要です。
進行度別治療法
ここでは、歯周病を進行度別に治療法をご説明します。
・軽度の場合
歯の表面に付着している歯石や、歯ぐきで隠れた浅いところにある歯石を器具などを使って除去します。
麻酔を使うことはほぼないでしょう。
・中度の場合
歯ぐきの内側のさらに深いところについている歯石を全部取り除いて、歯の表面にプラークがつきにくくなるようなめらかに仕上げていきます。
ここまで深い位置になりますと麻酔を使用することもあります。
・重度の場合
重度にまでなってしまうとかなり骨が吸収しているので、歯周ポケットも深すぎるため歯石を手探りだけで除去するのは難しいです。
麻酔を行って歯ぐきを切開し、歯根についた歯石をよく見える状態にしたうえで徹底的に除去していきます。
さらに、歯周ポケットを余計に作っている汚染された歯ぐきを取り除き歯周ポケットを浅くすることによって、その後のお手入れを行いやすい状態にします。
歯周病のリスクとは?
歯周病とは40歳以上の8割もの人がかかっている病気です。
その原因となるのはプラークや歯石の中にある細菌や、それらによって排出される毒素によります。
さらに怖いのはその細菌や毒素はお口の中だけにとどまらないことです。
歯周ポケットから歯ぐきの中に入り込んでいき、歯ぐきの毛細血管から大きな血管へ、さらに心臓へと循環して送られ全身に回っていきます。
また、高齢者の方で咳の反射が弱い、うまく飲み込めないという方は口の中にある細菌が気管に入った時にうまく押し出せず、肺の中に入り込んでいくのです。
さらに、歯周病にかかっている方でとてもリスクがある病気に感染性心内膜炎という病気があり、これは歯ぐきが健康な人と比べると歯周病にかかっている方の方が心臓病になる確率が15~37%上昇すると言われています。
この病気は発症すると命の危険がある怖い病気で、心臓の弁にもともと異常があるという人は注意が必要です。
歯周病菌が心臓の弁につきやすいためで、いったん弁につくとそこで細菌が増殖し始めます。
すると、心臓の中の血液に渦ができよどんだ血は固まって血栓ができるのです。
それが全身に回って脳の血管が詰まると脳梗塞を、心臓の血管が詰まると心筋梗塞が起こると言われています。
また、歯周病と糖尿病には深い関係があります。
たとえば、歯周病によってできたサイトカインという成分がインスリンの働きを抑えるため糖尿病が悪化するそうです。
ですが、歯周病を治療すれば血糖コントロールが改善することもあります。
逆に糖尿病が歯周病を悪化させることは知られており、血管や神経に障害が出る病気なので毛細血管がもろくなってしまうと歯周病の細菌に対しての防御能力が低下してしまい、細菌感染が起こりやすくなってさらに歯周病が悪化するのです。
歯周病チェックを受けるなら筒井歯科へ
歯をなくす原因となる歯周病ですが、残っている歯が多いと寿命が延びたり、認知症のリスクも低くなります。
歯周病はまたの名をサイレントディジーズと言われており、悪化するまで自覚症状がありません。
ご自分の歯で一生食事ができるよう歯周病のサインを早く見つけていただき、信頼できるクリニックで定期的なメンテナンスを受けることをおすすめします。
筒井歯科では歯の健康を維持するための予防歯科治療も実施しています。
無料メール相談も受け付けているので、ぜひ相談してみてください。
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