インプラントを無痛治療で受ける為に！静脈内鎮静法の知識

1 はじめに
2 インプラント治療で行われる麻酔とは
3 静脈鎮静法のメリット
- 3.1 全身麻酔との違い
4 静脈鎮静法のデメリット
5 まとめ
- 5.1 おすすめ関連記事

はじめに

みなさんは歯科治療を受ける際にストレスに感じることはありませんか？
歯科治療では何ごともなく治療が終わるのが当然・・だと思われていますが、実際には歯科治療を受けるのは患者さんにとってかなりのストレスです。
不安や緊張、恐怖などにより神経性のショックや合併症を悪化させることもあります。
また、病気がある方や高齢社の場合はさらに注意が必要です。
この歯科治療を安全に行うためには、痛みをきちんとコントロールすることが大切です。
と同時に、肉体的、精神的ストレスをできる限り緩和させることも必要です。
ここではインプラント治療の際に行われている静脈鎮静法についてご紹介しましょう。
今後インプラント治療を受けることがあった場合には、ぜひご参考になさってくださいね。

インプラント治療で行われる麻酔とは

・局所麻酔

インプラント手術を行う時や歯を削ったり、神経を取り除く時、抜歯する時などに局所麻酔が使われます。
インプラント治療を受ける方は歯をなくしてしまっているため、過去の治療で局所麻酔を受けている可能性が高いです。
この麻酔は時に珍しいものではないので、ほとんどの場合リスクもなく受けることができます。
方法は非常に細い麻酔針を使って行っていきますが、電動注射器を使って少しずつ麻酔薬を投与するため、ほとんど痛みなく治療が受けられます。

・静脈鎮静法

クリニックでの治療の中で何よりも麻酔が嫌だ・・という方がほとんどでしょう。
あの口の中に針を刺す瞬間の不快感や痛みが苦手という方は多いです。
ですが、そういった患者さんのストレスを解消するような麻酔も日々開発されています。
たとえば、表面麻酔を使って感覚を鈍くした後、極細の針を使って注射する方法もあります。
また、手術中の痛みや恐怖心を取りのぞくため全身麻酔や笑気麻酔を使うこともあるようですが、特に静脈鎮静法という麻酔がよく使われています。
この静脈鎮静法とは静脈注射で静脈麻酔薬や抗不安薬などを使って持続的に鎮静状態にするもので、嘔吐反射や緊張、疼痛などを抑え、快適で安全な状態を維持できる麻酔法です。
また、誤嚥のリスクを回避すべく適度に嚥下反射を残したままで緊張を取り除き、うとうとした状態で治療が行えます。
この静脈鎮静法は笑気麻酔と比べると非常に確実性が高く、安定した鎮静状態が得られるため、治療の際に経験したいやな記憶が残らない効果も得られます。
そのいっぽうで、薬に対する過量投与や感受性、場合によっては循環や呼吸が過度に抑えられてしまうこともあり、持続的に監視した上で緊急時にはすぐに対応できるようにする必要があります。
なお、この麻酔は治療のストレスを軽減するため最適な方法として開発されてきたものです。
最近ではリラックスしながら治療が受けられるための方法として少しずつ広まってきています。

静脈鎮静法を受けるのに向いている方

この麻酔法に向いている方は
・強いえづきがあって歯科医療を受けるのが困難な方
・インプラント治療を受けるのに恐怖心や不安が強い方
・歯科治療を受ける際のストレスを軽減したい方
・笑気麻酔では効果が充分に得られない方
たとえば、鼻から呼吸しづらい、鼻でマスクができない、過換気の既往歴がある、腸閉塞がある・・などです。

静脈鎮静法を受けるのに向いていない方

この麻酔法が向いていない方は
・あごが小さすぎる、口が開きにくい、呼吸の管理がしづらい方
・歯科治療より優先すべき全身疾患がある方
・妊娠している方
・薬剤アレルギーがある方・・などですね。

静脈鎮静法のメリット

この麻酔法にはさまざまなメリットがあります。
・うとうととしているうちに治療が受けられるため手術によるストレスがほとんどない
・健忘効果も得られるため、治療中の嫌な記憶が残らない、つまり治療中のことは忘れてしまう
・治療中の血圧や呼吸の安定が得られる
・手術にかかる時間が実際より短く感じる
・意識はあるので歯科医師の呼びかけには応じられる
静脈鎮静法の最大のメリットというと高い安全性でしょう。
と同時に、手術後は麻酔効果が速やかになくなるのもメリットでしょう。
静脈鎮静法をさらに安全に使用するため麻酔の専門医が管理してくれ、生体情報モニターを使って血圧や心拍数などを管理してくれることが多いです。

全身麻酔との違い

では、静脈鎮静法と全身麻酔とはどういった違いがあるのでしょうか？
全身麻酔は意識が全くなくなる麻酔法ですが、静脈鎮静法は呼びかけた時応じられる程度の意識は残ります。
全身麻酔では自分で呼吸が出来ないので人工呼吸器をつける必要がありますが、静脈鎮静法では自分で呼吸ができるため呼吸を管理しなくて済みます。
さらに、全身麻酔を使用する際は入院の必要がありますが、この方法だとその必要もありません。
また、恐怖心の強い方は治療中に心拍数が高くなるため意識喪失や呼吸困難、動悸、めまい、頭痛・・などの症状が起きることがあります。
つまり、歯科治療に対しての不安や恐怖心からさまざまな症状を引き起こすのです。
ですが、静脈鎮静法ならリラックスした中で治療が受けられるため、不安や恐怖からくる悪影響が防げます。
不安感や恐怖心の強い方はこの麻酔法を併用することで快適で安全に治療が受けられます。

静脈鎮静法のデメリット

上でも書いた通り、インプラント治療など歯科治療で行われている静脈鎮静法は治療中の不安感や緊張を取り除くことができ、患者さんの負担を軽減することができます。
また、全身疾患がある方の歯科治療を行う際の安全性を高めることもできます。
ですが、麻酔というのはリスクや副作用もあるものです。
他の麻酔と比べて比較的リスクが低いと言われているこの麻酔法ですが、リスクも存在するので注意しましょう。
リスクもあることを分かった上で治療の際に使う麻酔を選ぶようにしましょう。